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2017年10月28日

コラム

【離婚:審判離婚】協議離婚と調停離婚と裁判離婚、この3つの違いはわかりますか?(福岡の弁護士による無料相談受付中です)

福岡の弁護士の壇一也です(^^)

今回は、審判離婚についてご説明したいと思います。

審判離婚は、制度としては存在していますが、実際には利用されることは少ないため、ご説明する予定はありませんでした。私も、少なくとも年間10件以上は離婚の案件を取り扱っていますが、今まで一度も審判離婚となったケースはありません。

ところが、先日、私が担当している案件で、離婚を命じる審判が下されました。そこで、審判離婚について簡単にご説明します。

審判離婚とは?

審判離婚とは、簡単に言うと家庭裁判所が離婚を認めてもやむを得ない、離婚を認めたほうが好ましいと判断した場合に離婚を審判という形で命じる場合のことを言います。

これまでご説明したとおり、離婚調停が成立しない場合には、通常、裁判離婚を求めて訴訟を提起しなければなりません。ただし、訴訟は一般的にはかなりの時間や手間がかかります。

そのため、訴訟をせずに離婚を認めたほうがいい、認めても問題ない事情がある場合には裁判所の判断で離婚を命じる審判を下すことができるのです。これが審判離婚という制度になります。

どのような場合に審判離婚が認められるか?

審判離婚については、家事審判法という法律で定められています。

家事審判法第24条 家庭裁判所は、調停委員会の調停が成立しない場合において相当と認めるときは、当該調停委員会を組織する家事調停委員の意見を聴き、当事者双方のため衝平に考慮し、一切の事情を見て、職権で、当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で、事件の解決のため離婚、離縁その他必要な審判をすることができる。この審判においては、金銭の支払その他財産上の給付を命ずることができる。

家事審判法第24条の規定を見てもわかったようでよくわからないと思います。

では、実際にどのような場合に審判離婚が認められるかと言いますと、以下のような場合と言われています。

①離婚自体については合意ができているものの、財産分与などその他の問題について僅かな相違があるために調停離婚に至らない場合

②婚姻関係が破綻しているのに相手方が一向に調停期日に出頭しない場合

③当事者の一方が遠方に居住しているために調停期日には出頭できないものの、調査官が離婚意思について確認している場合

などです。

もっとも、離婚の審判を命じるかどうかは、裁判所の判断に委ねられています。そのため、夫婦のどちらかが裁判所に審判離婚を求めても、裁判所がそれに応じてくれなければ、審判離婚は認められません。

上記のとおり、審判離婚の例は少ないというのが私の経験ですが、平成17年度司法統計によっても、審判離婚が行われたのは全国で55件に過ぎず、全体の1%にも満たないとのことです。

審判離婚が下されるとどうなるか?

審判が下されたからと言って、自動的に離婚が認められるというわけではありません。

審判日から2週間以内に審判離婚に納得が行かないなどとしてどちらかが異議申し立てをすると、離婚を命じた審判は効力を失ってしまいます(家事審判法25条)。

その場合は、改めて裁判離婚を目指して訴訟を提起しなけれなりません。

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