2017年11月04日
コラム
【離婚:財産分与】財産分与とは?(福岡の弁護士による無料相談受付中です)
福岡の弁護士の壇一也です(^^)
離婚に際しては「財産分与」が問題になることが少なくありません。
そこで、今回は、財産分与についてご説明したいと思います。
財産分与とは?
財産分与とは、簡単に言うと、夫婦で築き上げた財産を離婚に際して、夫婦で清算し分け合うことを言います。
財産分与は、離婚の方法を問わず(協議離婚でも、調停離婚でも、裁判離婚でも)問題になります。
財産分与は、必ずやらなければならないというわけではありませんが、夫婦のどちらかが財産分与を要求した場合には、財産を清算するための話し合いをしなければなりません。
離婚についてはお互い納得しているものの、財産分与で話し合いがまとまらないため、結局、調停や訴訟に至ることも少なくありません。
なぜ、財産分与が問題となるのか?
なぜ、離婚に際して、財産分与が問題となるのでしょうか。
いくつか考えられますが、私が考える理由は以下の2つです。
①夫婦で築き上げた財産は夫婦それぞれが平等に取り分を有していること
たとえば、夫が会社員で、妻が専業主婦の夫婦の場合、収入があるのは夫だけということになります。妻は家事をしていても、それで収入があるわけではありません。
このような場合、夫だけが財産を築いていくことになりますが、これは公平とは言えませんね。夫が仕事に専念できるのは、妻が家事をしてくれているからです。仮に、妻が家事をしない場合に、家政婦さんなりに家事をお願いすると、相応の費用を支払わなければなりません。そうすると、夫が稼いだ収入から出費があるため、築ける財産が目減りすることになります。妻が家事をしてくれている場合には、夫の収入から家政婦さんの費用を支払わなくても済むんですね。その意味では、妻の家事についても「家事労働」をしたとして目には見えない収入があると考えることができるわけです。
このようなことから、夫婦が築き上げた財産というのは、夫婦2人で一緒に築き上げたと考えることができるのです。
そのため、離婚に際しては、一緒に築き上げた財産を清算して分け合う財産分与が問題となります。
②夫婦で築き上げた財産を夫婦で厳密に分けて管理していないこと
財産分与が問題となるもう1つの理由、それは夫婦生活をしている間は、夫婦の収入や支出については、夫、妻の財産としてそれぞれ明確に分けることなく、通常は一緒に管理しているからです。
たとえば、夫の収入が40万円あったとして、半分の20万円を妻に渡して夫婦が半分ずつ財産を管理していくということは通常はないと思います。
また、日常的な支出(住居費や水道光熱費など)についても、それぞれが半分ずつ負担し合うなんてことはないと思います。
そのため、離婚する際には、夫と妻が一緒に築き上げてきた財産を夫が半分、妻が残りの半分を管理しているということは通常考えられません。一般的には夫が多く管理しているという場合が少なくありません。
このような場合、夫名義で管理している財産の半分についても妻に取り分があるという発想が生まれてきます。
そのため、離婚の際には、夫婦で築き上げた財産について、夫名義のものと妻名義のものを一旦夫婦の財産として合計して、それをどう分けるかという財産分与の問題が発生することになります。
次回以降は、財産分与の具体的な内容についてご説明します。