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2018年01月06日

コラム

【介護事業:介護事故】介護事故が発生した場合、社会福祉法人などの介護事業者はどのような責任を負うのか?(福岡の弁護士による無料相談受付中です)

こんにちは!福岡の弁護士の壇一也です(^^)

高齢者福祉サービスの提供時に介護事故が発生した場合、介護事業者はどのような責任を負うのでしょうか。

大きく言うと、①民事上の責任、②刑事上の責任、③行政上の責任の3つです。これらについて以下簡単にご説明します。

①民事上の責任について

民事上の責任とは、法律用語では、債務不履行責任(民法415条)と不法行為責任(民法709条以下)のことです。

もし、これらの責任を負うということになれば、損害賠償、つまり事故に遭われた方に対して、賠償金を支払わなければなりません。

この民事上の責任は、実際に事故を起こした施設の職員の方が負う可能性があることは当然ですが、その職員の方を雇用していた施設(法人や経営者)も、同じく責任を負うことが通常です。

事故に遭われた方としては、事故を起こした職員の方に損害賠償請求をするのか、施設にするのか、または職員と施設両方に請求するのかを選ぶことができます。

②刑事上の責任について

施設の職員の介護ミスにより利用者が死亡された場合や負傷された場合は、その職員の方は、業務上過失致死傷罪(刑法211条)を負う可能性があります。

(業務上過失致死傷等)
第二一一条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
一方で、事業者が法人の場合には、その法人が業務上過失致死傷罪を負うことはありません。

しかし、法人の代表取締役や施設長なども、自ら介護ミスをしていない場合であっても、業務上過失致死傷罪を負う可能性はあります。

③行政上の責任について

たとえば、介護事故の原因が運営基準・設備基準・人員基準に届かなかったと評価される場合には、指定の取消や指定効力停止などの処分がなされることがあります。

④これらの責任の関係について

介護事故が発生した場合には、これらの責任を負う可能性がありますが、どれか1つの責任を負えば済むというわけではありません。

理論的には、この3つの責任全部を負うこともあり得ますし、民事上の責任と刑事上の責任の2つを負うこともあります。


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