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2018年04月15日

コラム

【介護事業:介護事故⑫】介護事故(転倒事故)が発生した場合、社会福祉法人などの介護事業者はどのような責任を負うのか?(無料相談受付中です)

こんにちは!福岡の弁護士の壇一也です(^^)

今回は、介護施設を利用中であった方が転倒して負傷されたという事案について、裁判所がどのような判断をしたのかを簡単にご説明します(東京地判平成25年10月25日判決)。

事案の概要

訪問介護契約に基づき介護サービスを受けていた高齢のX(82歳)が、通院介護サービス中、Xの自宅の玄関の上がりかまち(玄関土間から高さが24㎝)で、介護士から立ったままの状態で待機するように指示をされて、介護士が離れた後に、Xが転倒して玄関土間に転落し、左大腿骨頸部内側骨折の傷害を負いました。

そのため、Xが介護施設に対し合計2132万円を請求しました。

Xは、自身が杖などの支えがなければ自力で歩行できず、立位を保持できる時間が30秒から1分程度という短い時間であったことなどから、玄関の上がりかまちに一人で立位のまま待機させた点に施設側の安全配慮義務違反などがあったと主張しました。

裁判所の判断

裁判所はどのような結論を出したか?

裁判所は、施設側の責任を一部認め、施設側にXさんに対し損害賠償として1726万円を支払うように命じました。

裁判所はどのような理由でこのような結論を出したか?

①本件訪問介護契約の性格上、施設側にはXの安全に配慮して介護すべき安全配慮義務があった。

Xは脚力が低下し、自力で歩行できず、立位を保持できる時間が短時間であったのであるから、玄関の上がりかまちに立っているXから目を離すのであれば、Xを一旦座らせるか、Xの家族に一時的に介添えの代行を要請するなどXが転倒することを防ぐために必要な措置をとる義務を負っていた。しかし、介護士は、これらの措置を何らとらなかった。

③上記②のような施設側の安全配慮義務違反は、慰謝料など1726万円相当のXの損害について相当因果関係が認められる。

コメント

本件は、介護施設内ではなく、介護施設の利用者の自宅で発生した事故についての事例です。

裁判所は、利用者の身体の状況などを踏まえて、利用者一人にした場合に事故が発生することを予測できる場合には、それを防ぐための措置をとるべきであったと判断しています。

訪問介護契約を締結している以上、安全配慮義務は、介護施設内だけではなく、自宅などの介護施設外においても求められることを示した裁判例です。

本件も、日常の介護にあたって参考になると思われますのでご紹介させていただきます。


 

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