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2018年07月10日

コラム

【相続:遺留分、遺留分減殺請求⑤】遺留分減殺請求では具体的に何を求めることができるのか?(無料相談受付中です)

こんにちは!福岡の弁護士の壇一也です(^^)

今回は、遺留分減殺請求をした場合に、具体的には何を求めることができるのについて簡単にご説明します。

たとえば、遺留分を侵害された人は、金銭を請求することしかできないのか、それともたとえば不動産の一部を自分名義に変更するように求めることもできるのか、が問題となります。

この問題は、遺留分減殺請求をすることで、どのような結果が生じるのかということにも関連します。

遺留分減殺請求をすることでどうなるか?

遺留分を侵害された人が遺留分減殺請求をすることで、どうなるのでしょうか?

この点、裁判例では、「遺留分減殺請求により、当該遺贈等は、遺留分を侵害する限度において当然に失効し、当該遺贈等により被減殺者が取得していた権利は、遺留分を侵害する限度で当然に減殺者に帰属し、一部減殺である場合、減殺者と被減殺者の物権共有となる。」とされています(最二小判昭和51年8月30日民集30巻7号768頁、最三小判平成8年11月26日民集50巻10号2747頁)。

これだけではわかりづらいため、以下の例で簡単にご説明します。

相続関係者

被相続人:父

相続人:その妻と子2人(長男、長女)

遺言の内容

被相続人である父が長男だけに唯一の財産である不動産(時価4000万円)を相続させるという遺言を残していた。

妻と長女が遺留分減殺請求をしたらどうなるか?

この場合、上記の裁判例によると、次のようになるということです。

①妻:遺留分4分の1

②長女:遺留分8分の1

妻には、不動産のうち4分の1の持分が認められ、長女には8分の1の持分が認められる。

そのうえで、長男:8分の5、妻:8分の2(4分の1)、長女:8分の1のそれぞれの持分で共有状態となるということです。

このような共有状態を解消することはできないのか?

とは言っても、不動産の共有状態は、実際上は不便であることが多く、あまりお勧めできるものではありません。

そこで、この状態を解消する手段はないのでしょうか。

Ⅰ 共有物分割による場合

これは裁判手続を通じて、共有状態を解消する方法です。

たとえば、妻が不動産を全部取得する場合に、妻が長男と長女に対し、持分相当額(長男には8分の5、長女には8分の1)の現金を交付するということが考えられます。

共有物分割訴訟については、別の機会に改めてご説明します。

Ⅱ 価格弁償の意思表示がなされた場合

民法1041条1項には次のような規定があります。

第千四十一条 受贈者及び受遺者は、減殺を受けるべき限度において、贈与又は遺贈の目的の価額を遺留分権利者に弁償して返還の義務を免れることができる。

つまり、上記の例でいうと、長男が妻や長女に対し不動産の持分ではなく遺留分相当額での価格弁償を申し出て、長男が妻に1000万円(遺留分8分の2)、長女に500万円(遺留分8分の1)の支払を提供することで、不動産の共有状態を解消することができます(最三小判平成9年2月25日51巻2号448頁)。


 

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