【労働者側】福岡県糟屋郡で建設業を営む会社に対し退職金等を請求した件で、3か月半の短期間で1200万円を回収して解決した事例
事案の概要(退職金請求、解雇無効撤回請求、解決金請求)
本件は、福岡県糟屋郡で建設業を営む会社に勤務していたお客様が同社から懲戒解雇を受け、お客様はご自身で退職金の支給を求めて相手方会社と交渉をしました。
これに対し、相手方会社は、お客様に不正行為があり、会社が損害を被ったとして退職金を支給しませんでした。
そのため、お客様が私に依頼をされ、不当解雇の無効・撤回、退職に伴う解決金の支払、退職金の支払いを求めた事案です。
弁護士壇一也による弁護活動の成果
1 解決内容
懲戒解雇は無効・撤回されることを前提として、退職金1200万円の支払を受けて円満退職することで解決しました。
2 苦労ないし工夫した点
上記のとおり、私は、お客様が相手方会社と交渉を行ったものの、奏功しなかったことから相談を受けて、代理人として活動することとなりました。
(1)最初に取り組んだこと
お客様と打ち合わせをした結果、相手方会社が指摘するお客様の不正行為は認められない可能性が高いことがわかりました。また、お客様としては、退職金を支払ってもらい、早く相手方会社と縁を切りたいとのことでした。
そのため、私は、代理人として、相手方会社に内容証明郵便を送付し、退職金等を請求しました。
相手方会社も弁護士に依頼して回答をしてきましたが、交渉を重ねても話し合いは平行線のままでした。
そこで、お客様と打ち合わせをしたところ、労働審判の申立てをして速やかに解決を図りたいとのことでした。
(2)労働審判の申立て
そこで、私は、速やかに労働審判を申し立てました。
労働審判では、退職金として1200万円強の他、解雇が無効であることを前提としてその撤回と解決金の支払等を求めました。
労働審判では、相手方会社は、①お客様が不正行為をして会社に損害を与えたこと、②退職金規程は変更になっているため、当方が保有する退職金規程は最新のものではない。最新の退職金規程によると、お客様が請求できる退職金額は相当額が減額されると反論してきました。
これに対し、私は、①については、お客様が保有する資料をもとに相手方会社が指摘するお客様の不正行為は事実ではないことなどを強く主張しました。その結果、裁判所にも不正行為はないことを認めてもらうことができました。
また、私は、②については、確かに形式上は、退職金規程の変更がなされていました。もっとも、不自然な点が認められたため、その点を強く主張しました。その結果、裁判所からは、基本的には当方が根拠とする退職金規程をベースとして退職金を計算することを示されました。ただし、退職金規程の変更がなされている可能性も否定できないとして若干の減額を示唆されました。
以上を踏まえて、解雇は無効であり撤回することを前提として、退職金として1200万円の支払を受けることを条件に円満退職することで調停が成立しました。
このようにして最終的にはお客様が求めていた退職金額をほぼ全額回収することができました。
私がお客様から依頼を受けてから3カ月半という短期間でのスピード解決でした。