【企業側】福岡県糟屋郡で製造業を営むお客様の会社がなした解雇について解雇無効・撤回請求等が請求された件で、解決金として70万円を支払うことで解決した事例
事案の概要(解雇無効・撤回請求、未払給料請求)
福岡県糟屋郡で製造業を営むお客様の会社が相手方従業員を懲戒解雇しました。解雇理由は、その従業員にいくつかの問題行動があったことです。
それについて、その従業員が懲戒解雇の無効・撤回、(解雇以降の)未払給料を求めて労働審判を申し立てた事案です。
弁護士壇一也による弁護活動の成果
1 請求された内容
①解雇無効・撤回請求、及び②(解雇以降の)未払給料
2 解決内容
退職を条件として解決金として70万円を支払う。
3 工夫ないし苦労した点
私は、お客様の会社が相手方従業員から弁護士を通じて労働審判を申し立てられた後に相談を受け、代理人として対応することとなりました。
お客様との打ち合わせを行ったところ、相手方従業員の問題行動については、確かに就業規則に定める懲戒解雇事由に該当するものでした。
しかし、お客様は、懲戒解雇にあたって、相手方従業員に対し、弁明の機会を与えていないなど懲戒解雇のための手続を十分に取っていませんでした。
そのため、本件では、懲戒解雇が有効とされる可能性が高いことをお客様に事前に説明して、相応の解決金を支払って解決するのがベストであるとアドバイスしました。
その結果、お客様にもその方針に同意していただきました。
そうすると、私としては、支払う解決金の額をできるだけ小さいものとできるように労働審判に臨むこととしました。
そして、労働審判手続では、相手方従業員のいくつかの問題行動がいかに会社の事業運営に影響を及ぼし、職場秩序を乱したかについて具体的に主張立証することを心掛けました。
その結果、裁判所には、懲戒解雇のための手続に問題はあったものの、最終的には解雇をしたことについてはやむを得ない点があったと判断を示してもらうことができました。
そのうえで、相手方従業員が退職すること条件として、給料数ヶ月分の解決金を支払うという内容で解決することとなり、最終的には、解決金として70万円を支払うことで調停を成立させることになりました。
私が受任してから2.5か月という短期間でスピード解決を図ることができました。
4 最後に
本件は、相手方従業員の問題行動については無視できないものがあったため、懲戒解雇までの手順について労働法のルールにのっとって行っていれば、懲戒解雇が有効になった可能性が高いと考えています。
その意味では、従業員に対し懲戒解雇などの懲戒処分を実施する必要があるとお考えの事業者様は、できるだけ早い段階において、弁護士にご相談いただければと思います。