解決実績

2017年10月

[労働問題:雇用契約書・就業規則]

【労働者側】福岡県糟屋郡で建設業を営む会社に対し退職金を請求した件で、請求額の89%を回収して解決した事例

事案の概要(退職金請求)

本件は、福岡県糟屋郡で建設業を営む会社に勤務していたお客様が未払退職金を請求した事案です。

お客様の計算では退職金を273万円請求できるはずでしたが、相手方会社は、退職金規程の変更がなされたこと、お客様の在職中に不正行為があったとして、その一部である150万円しか支払いませんでした。

そのため、お客様が私に依頼をされ、退職金123万円が未払いであるとして支払いを求めました。

弁護士壇一也による弁護活動の成果

1 請求額

123万円

2 回収額

110万円(回収率:89%)

3 苦労ないし工夫した点

(1)最初に取り組んだこと

確かに、相手方会社においては、退職金規程の変更がなされた形跡がありました。しかし、その退職金規程は従業員にとって不利益となる変更でした。そのため、適正な手続きでその不利益変更がなされたか否かを調査したところ、適正になされたとは到底考えられませんでした。

また、相手方会社が指摘するお客様の不正行為については一部は事実ではあるものの、退職金を大幅に減額できるほどの問題ではないと考えました。

そのため、私は、未払退職金123万円が支払われない理由はないと考え、お客様の代理人として、相手方会社に内容証明郵便を送付し、退職金を請求しました。

相手方会社も弁護士に依頼して回答をしてきましたが、交渉を重ねても話し合いは平行線のままでした。

そこで、お客様と打ち合わせをしたところ、訴訟を提起することとなりました。

(2)訴訟の提起

そこで、私は、速やかに訴訟を提起しました。

相手方会社は、①退職金規程が変更されたこと、②お客様に不正行為があったことを主張し、未払退職金はないと反論してきました。

これに対し、私は、①については、裁判例に基づき退職金の不利益変更の要件を満たしていないことを証拠に基づき強く主張立証しました。②については、お客様の不正行為は一部は認められるものの、それは退職金を大幅に減額できるほど悪質なものではないと主張しました。

そのうえで、相手方会社代表者とお客様の尋問手続を実施しました。

その結果、裁判所からは、当方の主張を前提とした和解案が提示されました。

それをお客様と検討した結果、早期解決のメリットも考慮して、未払退職金として110万円の支払を受けることで裁判上の和解が成立しました。

このようにして最終的にはお客様が求めていた退職金額の89%を回収することができました。

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